4月10日
ファイバーフェンダー編の続きです。
ウチは鈑金等の技術はないので塗装は外注に出していますが切削加工等は自社で対応しています。ファイバーについては前回も触れた様にボルトオンで取付を出来るパーツでは無いのでマウントの方法を考えなければいけません。
前回もご説明したとおりグラスファイバーフェンダーはタイヤのストロークやロングアームによるトレッド幅に合わせて設計されていますし、語弊はありますがある意味で消耗部品という認識になっています。実際にダート走行をする人には分かりますが飛び石やらタイヤが当たったりとかで塗装もバキバキになってしまうのでカスタムカーとしてクリーンに乗りたいという人ととりあえず走り重視の人ではファイバーを塗装するか否かが分かれる所です。
下のタンドラの様に綺麗に塗装すると後付ファイバーフェンダーとは思えない様なクリーンなトラックに見えますよね。
それとは反して敢えて後付感を出すためにスパルタンなイメージに仕上げたい人、または走りを重視したい人は下の様なノーペイント仕様にする人も多いです。
このクリーン仕様かスパルタン仕様かによって取付方法にも違いが出てきます。
タコマの様に完全ボルトオンでファイバーフェンダーが取付可能な車種には必要ないのですがリアフェンダーをカットアウトしてカウルスタイルで取り付ける場合やスパルタンなイメージを敢えて演出するパーツとしてファスナー(留め具)を使用します。
下の写真がまさに良い例で同年式の日産タイタンですが同型車種ながら違いが分かりやすいと思います。ファスナー、フェンダー塗装の有無が分かりやすいと思います。
右の未塗装のタイタンについてはダミーファスナーとして装着している箇所もあります。
塗装の有無でもかなり印象は変わりますよね。ここは個人の趣味の部分です。
塗装してあるのもカッコいいし、敢えてしていないのもカッコいいのがPRERUNNERのいいところでもあります。ちょっと飽きてきたら模様替えみたいな感じで自分で塗装するオーナーさんも少なくありません。ボディ色にもよりますが同系統色であればスプレーやローラーで塗装する人も割と多いです。
逆に前だけボディ色で綺麗に板金塗装をして敢えてリアは塗らないみたいなアレンジの人もいます。
実際のところ板金塗装をして綺麗に塗るとなると材料費や物価高で今だと50万〜みたいな話になる様なのでフロントとリアを分割して塗り分けるのもアリだと思います。
実際綺麗にペイントしてあるとイメージがガラッと変わりますしクリーンでカッコいいですよね。
前回はフロントバンパー付きとチューブバンパー等の話に触れたと思いますが、リアに関してもエンド処理をどうするかで作り方が変わってきます。
リア(ベッドサイド)のファイバーフェンダーは基本的に純正のリアバンパーを取付ける想定でデザインされています。最近はオーバーランドトラックにもファイバーを付けるのでフェンダーも加工せずそのまま取付ける事が多くなったのかもしれませんがPRERUNNERとしてはリアエンドも薄くするために純正バンパーや純正ヒッチメンバーをデリートする事が多いです。そのためにリアバンパーの厚み分をカットするために下の様にフェンダーをカットします。
この様にカットすることでバンパーが無くなった状態を想定したカットラインとチューブバンパーのバランスが上手くマッチングするという事です。下の写真を見て分かるように本当にリアゲートくらいまでカットすると横から見た時に車体が見えてカッコよく見えるのです。
ファイバーフェンダーの醍醐味と言うか、カッコ良さというのは幅が広がりバンパーオフで車体の厚みが薄ペラくなってワイドでありながらビッグタイヤなのにロースタンスというフォルムがトロフィースタイルと言うかPRERUNNERスタイルと言うかメチャクチャセクシーなところですね。その為にもエンド処理は全体のフォルムに欠かせないというわけです。
モンスタートラックやリフトアップみたいな分かりやすいカスタムではなく機能性とか走破性とかテクノロジーの結晶みたいなカスタムが出来るPRERUNNERは本当に奥が深くて何年乗ってても飽きがきません。自分の目指すゴールに辿り着ける気がしないですしね。
最後にフェンダー関連で重要なポイントはフューエル関連についてです。
当然フェンダーが膨らむ分、給油口の位置がズレるわけですがこの対策方法はそれぞれあって純正位置をキープさせる方法と、燃料ホースを延長するなりしてファイバーのフューエルリッド位置までリロケーションする方法があります。
経験則ですがどうもトヨタと日産は給油中の吹き戻し(エア抜きが悪い)が酷くなる傾向があります。給油ノズルとの相性もあるのかもしれませんがファイバー装着による副作用的なものが起きる場合があることをご承知ください。FORD やCHEVYに乗っていた時にはそういう経験がないのですがタコマ、フロンティア、タイタンは酷かったです。
ご留意ください。
次回は車種別のサスペンションについてです。