続 1986 BRONCO
- APTCO HQ
- 3月24日
- 読了時間: 4分
専用のキットが無いので現物合わせで部品を付けたり外したりを繰り返していたために長期の預かりとなってしまいましたがようやく完成したのでレポートしたいと思います。

前回の時点ではショックアブソーバーをFOXに交換してスプリングをデュアルレート化してワンオフでスプリングシートを製作したところまでをご紹介したと思います。
今回は追加の作業としてセカンダリーショックの追加を行いました。
何故プライマリーショックと同時に装着しなかったのかと思う方もいると思いますがこのFORDのTTBについてはプライマリーとセカンダリーのショック長が写真を見てのとおりシリンダー長(トラベル量)が異なるためリフトアップ量が定まっていない時点では有効ストローク長が算出できないという少々手間のかかる構造になっています。街乗りがベースなのでむしろセカンダリー側はリバウンド側のリミットストラップの代わりにストッパーとしての機能を兼ねています。

入庫時に装着されていたエマルジョンタイプのガスショックと違ってフロートピストンタイプのFOXショックは減衰力がちゃんと効いている事を体感できるくらい乗り心地が良くなります。ただし街乗りがメインでオフロードは少々という認識で良いと思います。
リアは前回のブログに記載したように同じ2.0IFPを採用しています。
そして7本目のFOXはこちらに装着しました。これがまたFORDの独特なステアリングリンク「Yリンク」と言うのですが、とにかく真っ直ぐ走るのに常にハンドル補正しないといけないイメージでステアリングスタビライザーは必須と言っても過言ではありません。
90年代はRANCHOのスタビライザー2本掛けとかやっていましたがFOXのスタビライザーショックは優秀なのでショックマウントを製作して取り付ける事にしました。
これがあると無いでは高速走行時の直進安定性が違うのでタイヤのサイズアップやリフトアップした際には取り付ける事をお勧めします。フロントがソリッドアクスルでステアリングがリンク式のクルマには必須と言っても良いでしょう。

余談ですが、ご予算に余裕があればFOXのATSはお勧めです。

最後のメニューはマフラーの交換作業になります。
流石に1986年のブロンコのパフォーマンスエグゾーストキットなんてものは売っていないので新たに作り直します。純正マフラーだったらスリップインで済んだのですが見事にやっつけ溶接です。コンバーター以降でリデューサーも使わずに「海ぶどう溶接」は嫌になりますね。レシプロソーでカットアウトです。

今回はリストレーション用のBREのパイピングを使ってFLOWMASTERの50をマフラーにチョイスしました。何故デュアルエンドなのかと思うかもしれませんがそれには理由があるのです。パイプは2.25”なのでちょっと音が心配です。

インレット側はスリップインクランプ方式に改造して固定しました。クローズドアウトレットはマフラーハンガーにちょうど良い位置だったのでデュアルを採用したという理由です。
ハウジング以降のパイピング位置を調整してタック溶接して位置合わせです。

マフラーエンドは当初だと2.25"のフィニッシュエンドになるので全然V8のOHV感が無いサウンドになってしまいました。最初はデュアルエンドチップにしようとか思っていたのですがあまりに音が静かすぎてしまったのでちょっと加工を施しました。エンドパイプをカットして3”口径の18”ロングのフィニッシュエンドを取り付けました。メガフォン効果の甲斐があってFM50のマイルドなディープサウンドが楽しめる様になりました。

という感じで久しぶりにマフラー製作をさせて頂きました。
今回の様なクラシックブロンコの老朽化したサスペンションやエグゾーストを新しいパーツに換装する事をレストモッド(Restore+Modify)と言います。
当時はRANCHOやPROCOMP等がサスペンションの主流でしたが時代の進化と共にFOXやKINGのハイパフォーマンスショックに興味を持つ方も増えてきました。
この時代に今更エマルジョンショックというのもアレなんで是非近代的なフローティングピストン付きのショックアブソーバーやデュアルレートのコイルスプリングにアップデートしてみてはいかがでしょうか。

TRUCKやSUVのクラシックカーのレストモッドにご興味のあるオーナー様はお気軽にお問い合わせください。最新モデルのサスペンションシステムを採用したおかげで以前と比較して乗り心地が凄く良くなったと好評価を頂いております。
前提条件として現車を確認しながらご要望をヒアリング、サスペンションスペックの採寸等が必要になるためご来場頂く必要がございます。電話やメールでのやり取りではお取り扱いが出来ませんので予めご了承ください。