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CONSIDER : J150 CONTROL ARM

そろそろサスペンションの構造やセオリーがご理解頂けてきたでしょうか?

自分なりには噛み砕いてなるべく簡潔にご説明をしているつもりですがご不明点やお気付きの点があれば遠慮なくお問い合わせください。あくまでも経験に基づく自分の持論だったりするのでこれが正解という訳ではありません。ご参考程度と思ってください。


さてフロントのリフトアップの手法についてご説明をしてきましたが本日は車高を上げたらマストとなるパーツとその作用をご紹介したいと思います。

ダブルウィッシュボーンタイプのサスペンション構造は車高の上げ下げによってキャンバーが変動することは以前のブログで軽く触れたかと思います。J150に限らずハイラックスやFJ、4RUNNER、タコマ、タンドラも基本構造が同じなのでレベリングリフトでもコイルオーバーリフトでも2インチ以上のリフトアップをするとポジティブキャンバー傾向になります。そして今回のアッパーアームのボールジョイントの角度がついてしまいます。

この状態からショックが伸びた状態(ダウントラベル)になるとトヨタ車はアッパーアームやナックルがコイルスプリングに干渉してしまう事があります。

また写真の様にアッパーアームのボールジョイントの角度も限界になっていてショックが伸びるたびにボールジョイントに負荷がかかります。リフトアップした際にはこのボールジョイントの角度を補正する事が重要です。下の図のようにリフトアップした状態でのボールジョイントのアングルを補正することでアップトラベルとダウントラベル時のサスペンションの作動不良を抑止します。

安価なレベリングリフトによるショックのストローク量不足も然り、アッパーアームのアングル補正も然りですが本来の正常なサスペンションワークが著しく損なわれてしまします。

FOXのクリップリフトの始祖とも言えるビルシュタインの説明にも記載されている様にサスペンションジオメトリーに沿って開発された製品を装着しないと結果的にはこうなる事は目に見えています。

走行中にこんなふうになったらゾッとします。こうなるとアッパーアームのボールジョイントだけでなくロワーアームのボールジョイントや4WD車はフロントアクスル(CVジョイント)のブーツやベアリングにも負荷がかかっているということになります。


ですからJ150は4WDなのでフロントの車高を上げるとアクスルの角度も補正するためにデフケースの位置を下げるスペーサーキットを装着します。こちらのキットはAPTCOでリフトアップの作業をする際には必ず装着している部品ですのでご紹介だけしておきます。


話をアッパーアームに戻します。

APTCOが推奨するDIRTKINGには2タイプのアッパーアームがラインナップされています。

1つはボールジョイントタイプのチューブスタイルのアッパーアームです。

2インチ以上のリフトアップをされる際は装着する事を推奨します。MOOG社製のヘビーデューティボールジョイントを採用していてアングル補正とダウントラベルが1インチ増加する使用になっています。FOXのIFPショックにベストマッチな仕様となっています。


もう1つはさらにハイグレードな仕様となるボックスタイプのオープンユニボールジョイントのアッパーアームです。正直なところJ150にはここまでのアームは必要無いかなと思いますが上を目指したい方は検討ください。

写真はウレタンブッシングですがHEIMジョイントというピロボールタイプのブッシングも選択が可能です。一応参考までに。

もしオーバーランドスタイルを意識していてオフロード走行も楽しんでみたいという方にはこのセットアップがお勧めです。


FOX2.0"IFP C/O + DIRTKING B/J UCA


写真の様に見た目も良くて性能もコストも充分ですから一番バランスの取れているセットアップだと思います。上の写真の様にボールジョイントキャップを付ければ見た目も良いですしボールジョイントのグリスニップルも汚れや水が付着せずクリーンに保てるのでお勧めです。ハイラックスはもちろんですがFORD F150 やCHEVROLET SILVERADO、タコマやタンドラにも装着した事があるくらいオーバーランドブーム以前から人気を誇る商品ですので安心してお任せください。


まずはここからスタートでも構いませんし、もっと上位機種のセットアップに興味があるという方はご相談ください。もちろんフロントだけでなくリアもセットでということになるのでご覚悟下さい。

ロワーアーム(LCA)もボックスタイプの剛性の高いアームがラインナップしています。

ELITEやFACTORYシリーズのコイルオーバーをチョイスした際には是非ご検討ください。

北米の4RUNNERに劣らずのJ150オーバーランダーを目指したい方は大歓迎です。見た目でなくてサスペンションのお話です。



ご希望の方がいればトヨタの脚ならここまでグレードアップする事も可能です。

こちらはご参考までに。コイルオーバーやバイパスショックもオリジナルのセミオーダーになるのでこのレベルだとKINGショックの選択をお勧めします。


リフトアップと言っても日本とアメリカではこの様に感覚も見た目も捉え方も全然違うという事が伝わったでしょうか?オフロード大国アメリカのサスペンションテクノロジーを是非自分の愛車に採用してみてはいかがでしょうか。



今回でフロントサスペンション編は完結です。次回からJ150のリアサスペンション編に突入です。

















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