前回に続いてフロントサスペンションのリフトアップ考察をして行きたいと思います。
前回はどちらかというとバジェットリフトとも呼ばれるレベリングリフトについての説明と作用そのリスクについて触れてみました。
今回は更にグレードアップしたリフトアップの方法についてご紹介しています。前回は純正のコイルオーバーショック本体にスペーサーやリデザインされたマウント、プリロードリフトをご紹介してきましたが今回からは専用設計されたコイルオーバーショック本体を交換してリフトアップする方法です。

皆さんの中にもリザーブタンクの付いたFOXやKING、ICON等のコイルオーバーショックをネットでご覧になった事がある方もいると思います。見た目も性能もお値段も良いのが特徴ですね。メカ好きを自認している男の子なら誰でも憧れてしまうこのギミックを自分の愛車に装着したいという気持ちはワタシも理解できます。
しかしながらこのスペックを果たして使いこなせるのか?自分にはオーバースペックではないのか?お財布事情にしろご自宅の財務省(奥様)の顔色にしろハードルが高い商品ではあることは間違いありません。そんなコイルオーバーにもパフォーマンスからレーススペックまでの設定があるのでご予算や用途、お財布事情に合わせたパーツのセレクトが可能です。
まずはパフォーマンスチューンとしての第一歩はこちらのコイルオーバーショックからご紹介して行きます。

FOX 2.0"IFP COIL-OVER SHOCK "GO FARTHER"
ショックボディは前回ご紹介したクリップリフトの2.0"IFPショックダンパーと機能は同等ですが純正コイルを流用せず車種専用にチューンされたアイバックのコイルスプリングとFOXロゴの入ったアッパーマウントがセットアップされています。

左が純正ショックダンパー、右がFOX2.0"IFPショックダンパーです。クリップリフトと違ってショックボディにタップが切られているのでコイルスライダー(ロワースプリングマウント)を回すことで無段階のプリロード調整が可能になっています。

このコイルオーバーは車種ごとのショック長とトラベル量、スプリングレートが設計されていて例えば本来はハイラックスやJ150プラドについては北米トヨタのラインナップにはない車種なのでFOXからはこれらの車種用のショックはラインナップされておりません。
しかしながら長年のサスペンションカスタムで得た知識や経験、そしてユーザーのデータを基にAPTCOでは取付ける車輌スペックとFOXのデータを照らし合わせて適合するベースのコイルオーバーを選定し車高や乗り心地、用途を加味してショックチューンを行う事でラインナップの無いハイラックスやJ150プラドへのFOX装着が可能になりました。データを取るためにご協力を頂いたオーナーの皆さんには心より感謝申し上げます。

乗り心地や車高の調整はもちろんですがフロントの軸重や緻密なスプリングレートの計算等
の上に更にオーナーさんにテストをして頂いて車種ごとのベースデータを設定することが出来ました。更にはプリロードやスペーサー等をミックスしてAPTCO独自のチューンドショックという形でご提供しています。使用用途や道路環境等、リクエストをヒアリングしながら理想のセットアップになるよう調整をしておりますのでお気軽にご相談ください。
この次に来るのがAPTCOでも初の紹介となるシリーズです。
FOX2.5"PERFORMANCE ELITE COIL-OVER SHOCK
"GO HARDER"

このエリートシリーズはFOXでは新しいラインナップで今時のオーバーランドやトレイルのオリエンテーショナルビークル向けに開発された2.0"IFPのグレードアップバージョンであると言えるでしょう。

今回の目玉は放熱生の高いアルミの2.5"ボディのモノチューブタイプのショックシリンダーを採用しホースリモートリザーバータンクが装備されオイルボリュームが増加する事で長距離のオフロード走行による熱ダレやキャビテーション抑止する設計になっています。リザーブタンクにはフロートピストンによりオイルと熱変化に強い高圧ハイドロジェンガスが封入されておりコンプレッション(縮み側)の減衰調整が出来るアジャスターダイヤルがハイスピードとロースピードで装備されています。路面状況に応じてショックのストロークの反応をスピード域毎に任意に調整する事が可能です。オーバーホールやバルブスタックについても対応が可能ですしご購入後の修理やメンテナンスもAPTCOでフォロー出来るのでご安心ください。

もちろんコイルオーバーショックなので無段階のプリロード調整が可能ですしスプリングレートの交換やバルブスタックが可能です。
ちょっと言ってることがよく分からないと言う人は直接ご来店頂ければご説明致します。
次にご紹介するのがスペックフィット(車種別適合)の最上位となる
FOX2.5"FACTORY RACE COIL-OVER SHOCK
"GO BIG"

こちらはオーバーランドブームの遥か前にアメリカ北西部でブームになったデザートレースから派生したプレランナーブームにKINGとFOXが凌ぎを削っていた頃にデザインされたスペックフィットのコイルオーバーショックです。

ショックボディは鋼合金の削り出しでツインチューブ構造になっておりインターナルバイパスチューブになっていて特定域でのショックの動きが早くなるという特性を持つコイルオーバーショックです。ELITEシリーズ同様にホースリモートリザーバータンクが装備されDSC(デュアルスピードコンプレッション)アジャスターをオプション選択が可能です。ELITEシリーズのテクノロジーはこのFACTORYレースからフィードバックされています。かなりマニアックな内容にはなりますがショックシリンダー内部の構造にも違いがあってレースとオリエンテーションという用途の違いが明確にあります。
この2種のショックの比較を動画でご紹介しているので是非ご覧ください。
スペックフィットのKINGショックと比較するのであれば間違いなくこのFACTORY RACEシリーズがライバルという事になります。
最後に予備知識としてFOXの最高峰をご覧頂いてフロントサスペンションの考察を終えようと思います。


皆さんがいつかピックアップトラックへ乗り換えることがあってプレランナーという乗り物やオフロードレーストラックに興味を持った時にまたご紹介をしたいと思います。
これが本来のFOXの姿だとご理解いただけたら幸いです。
これを見てもまだFOXのショックダンパーを選びたくなりませんか?
次回はフロントサスペンションのリフトアップにおいて付随するパーツのご紹介です。
Stay Tune , Do not Stay home!! Go Farther.