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JEEP JK / TIPM FIX

JK36Lの修理事例の備忘録です。


今回はエンジン始動時及び走行時に突如メーター周りがX'masツリー(インジケーターランプ全灯)状態になる、ヘッドライトの点滅、ワイパー作動等のイレギュラーな事象が発生するとの事で入庫となりました。

猛暑日の走行中に発生した事象なのでたまたま出たエラーなのかと思いきやレッカー搬入時にも同様の症状が。翌日点検のためにエンジン再始動時にも同様の症状が発症しました。

高度な診断機を繋いで見てもらったところTIPMアクセスエラーという回答が。


そもそもTIPMとは何ぞやということころからスタートです。

トータリーインテグレーテッドパワーモジュールの頭文字でTIPMと呼称する部品でFUSE BOXと一体型のモジュールです。

上の写真がTIPMです。FUSEやリレー等が収まっている電装が集中している部品です。

JEEPが特殊と言うのは語弊がありそうですがBCM(ボディコントロールモジュール)がこのTIPMに内蔵されている様で独立回路では無いという事です。そのBCMたるTIPMのアクセスエラーとなると何がどうなっているのか全く分からない状態です。


これは北米の情報を探るしかないということで果てしないネットの海へダイブです。

色んなフォーラムやY!知恵袋みたいなところに修理事例がまあ沢山出ていまして試行錯誤している様子でした。大体の結論がディーラーで新品のTIPMに載せ替えるみたいな話でしたがこれがまた非常に高額な部品で更には車両情報をコーディングする必要があるとのこと。

国内のネット記事を見ると20万を超える様な内容を見かけました。


過去にUS NISSANやCHVROLETでもBCMやIPDMの修理をしたことがあるのでその時同様に手順を踏んでチェックをしながら様子を伺うことに。

電装系の不具合で意外に多いのがバッテリーの充電不良やターミナル不良というイージーなところが起因する場合もあります。こちらのJKはAMPリサーチのパワーステップやRIGIDのLEDライトが複数個装着されています。ストックのバッテリーにタコ足配線をしている場合には必ずバッテリーの充電圧とターミナル部の接触、ボディーアースポイントを点検するようにしています。

マイナス端子側はカッパーラストが発生していて思わしくない状態でした。バッテリー端子とターミナルを真鍮ブラシで清掃研磨します。

こんな簡単な作業だけで治ってしまう事もあるので電装系の不具合の際は必ずこの作業を行なって通電を確実にしてから見える部分をチェックしていきます。

ボディーアース部も一度外して端子を真鍮ブラシで磨いておきます。ボディーアース端子側も磨きます。

このくらいの作業は工具が使えてバッテリーのショートさえ気をつければ誰にでも出来るメンテナンスです。

FUSEやリレーも同じことが言えるのですが接触端子の部分は必ず劣化したり汚れたりで通電力が弱くなったりします。その結果ショートしたり通電不良を起こしたりでモジュールやリレーの誤作動を引き起こしてしまう可能性もゼロではありません。上の写真のようになっていたら端子を磨いて綺麗にしてあげると良いと思います。


今回はバッテリー端子をはじめFUSEやリレー、アース部を清掃研磨してみたのですが症状は改善に至らなかったためにTIPM本体の修理という残念な結果になってしまいました。

アメリカでは中古品やリマニファクチャー、新品のOEMも売っていてさすがに20万オーバーは払えないという方は少し安めのコーディング済のTIPMを購入することも可能の様ですのでチャレンジしてみるのもアリかと思います。


ご参考までにCHEVROLETの中古BCM交換をした際はバッチリ直ってくれました。




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