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JEEP JK エンジン修理②

左バンクに続きまして右バンクのヘッドの分解作業に入ります。

左バンク同様にヘッドカバーを取り外してまずはカムトレーンを露出させます。この時に注意が必要な点は右バンクのファイヤーウォール側にPCVが取り付けられていてトルクスネジを2本外さないとヘッドカバーがヘッドと分離できません。しかもスペースがタイトなのでちょっと苦労するかもしれません。

左バンクと同様にカムポジションセンサーの交換やPCVの点検が可能なります。

そして右バンクのヘッド取り外しが左とは訳が違うという事を思い知らされます。


下記の写真にあるこのたった1本のトルクスネジが外せないという事のためだけに。。。

補器類を全て取り外してフロントカバーを剥離する事になります。

オートテンショナー、ドライブプーリー、ウォーターポンプハウジング、パワーステアリングポンプ、フロントカバー、チェーンテンショナーガイド、鬼トルクのクランクプーリーを外します。トルクスネジ1本のためだけに大変手間が掛かること。そして左バンク同様にオイルフェーザーやカムシャフト、ロッカーアーム、リフターも分解していきます。

V6-DOHCのギアトレインが露出してまるでペンタスターのエンジンモックみたいな姿になりました。こちらはこちらでテンショナーの解除方法が違ったりとフロントカバーを外すのが前提の作業手順の様です。JKは縦置きだから良かったです。これ横置きだと色々やり辛そうな感じです。

そんなこんなでなんとか無事ヘッドを取り外しました。右バンクはヘッドボルトもガッチリ締まっていてガスケットにも抜け跡等も無かったのですがヘッドカバーのガスケットがやや薄い感じも見受けられた事と組み付けた際の公差が大きい事、断面の切削面が粗い事等が関係して右バンクからも微量なオイル漏れがあった原因という事が推測できました。ガスケットを剥がしていると本当に切削面の粗さがよく分かります。

新品ガスケットを組んでヘッドを組み付けていくわけですがその前に外した合わせ面の残留したガスケットを剥がして面取りをします。左バンクの際に説明するのを忘れていたので下記を参照ください。

液体シーラー(ガスケット)はスクレイパーで剥がして残滓をスコッチブライト等で丁寧に取り除きます。下はヘッドとフロントカバーの合わせ面でここからオイル漏れが発生する症例も多い様です。それだけに綺麗に面取りしておきました。

フロントカバーも同様です。リングガスケットと液体シーラーを使用してクランクケース、シリンダー、ヘッドに取り付けを行います。特にオイルライン、ウォーターラインが混在するセクションなのでしっかりとシーリングしておきます。

各セクションのシーリングの下準備が整ったらヘッドを組み付けていきます。まずはヘッドボルトを慎重に締め付けます。下の様にカムホルダーの締め付け手順と指定トルクのメモを見ながら全てのボルトを組みつけていきます。今回の作業のためにデジタルトルクレンチ買いました。

こうして無事に左右バンクヘッドのアッセンブルが完了しました。JEEP専門店がこの作業を何台もやっていると思うと頭が下がります。

フロントカバーをきっちり取り付けて補器類を取り付けていきます。タイミングチェーンの位置もバッチリ元通りに。

ヘッドカバーも取り付けて補器類も復元しました。残すはオイルフィルターハウジングの入荷待ちです。これが終わればINTマニフォールドとフューエルラインを繋げてスロットルボディ、エアクリーナーを取付けてエンジンオイルとクーラントを入れたら完成です。

峠は越えました。。。あともう少しです。


③に続く


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