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LONGTRAVEL SUSPENSION #03

更新日:5 日前

3部構成になってしまいましたが今回で完結です。


ロングトラベルサスペンションと言っても様々な部類や種類のキットが存在していてマニュファクチャー毎に設計やデザインが異なっていて各ブランドのスタイルが出ています。


今回インストールしたDIRT KINGのLT KITについてはほぼボルトオンで装着が可能なエントリーモデルとも言えるキットでこれに付随する様々なオプションが用意されています。

このプライマリーショックのみのキットがTHE BASICと言えるでしょう。


それでは昨日の続きでいよいよ車高の調整=プリロード調整に入ります。


OEMのKINGやFOXのコイルオーバーショックを装着している人で特にTOYOTA車に乗っている人は是非参考にして頂きたいのですが、大径タイヤを履かせるために車高を上げたいと言う目的でプリロードをかけ過ぎている車両をたまに見かけます。せっかくの高性能ショックなのに調整方法やセオリーを理解していないと見た目だけの無駄遣いになり兼ねません。

カーショウはもちろん、SNS等でもそういう車両を見かけると職業柄でつい勿体無いなぁと思ってしまいます。


あくまでも参考ですがAPTCOではトヨタ車のTRUCKやSUV等におけるスプリングのプリロードは最大で1.5"までを限度として定めています。車高で言うと純正ピボット使用でSTOCK車高から3インチリフトが上限という事になります。2"以上リフトアップする際はUCAの交換も必須となります。プリロード値とリフトアップはスプリングレートにも関係しているので使用するコイルスプリングのスペックも重要です。


今回のTACOMAに装着するFOXのコイルはEIBACHのPROシリーズで1600.300.0600Sと言うスペックになります。FR(フリーレングス)が16”になるので14.5"の長さになるまでスライダーを回してスプリングを縮めてプリロードをかけます。(実際は2”程度のプリロードは問題ありません)。乗り心地と脚の柔軟性を重視してAPTCOでは1.5"を最大値に設定しているというだけです。下の写真の様にスプリングを縮めてコイルスライダーを回してプリロードをかけます。これが1.5"のプリロードがかかった状態です。

プリロードをかける事=スプリングが固くなる事なのでオーバープリロードはバネがガチガチに固くなってしまって路面の段差でスプリングが縮まない上に反発が大きいためポンポン跳ねる様な乗り心地になります。カップホルダーのコーヒーを車内にぶちまける勢いです。


またオーバープリロードはフロントの車重でもスプリングが殆ど縮まなくなるため0Gに近い状態(フリーレングス値)と1G状態(サグポジション)の数値差が1"程度しか無いためリバウンドスピードが早過ぎてしまいショックが伸び切ってシャフトがワイパーキャップを叩いてしまいその衝撃がガンガンと車体に伝わると言う最悪な状態の乗り心地になります。

今自分の車がそんな感じだと思い当たる人もいるのではないでしょうか?自分でセットしたのなら自己責任ですが、SHOPのセッティングだった場合は再調整を相談してみてください。


ちなみに余談ですが、TACOMAの2WDでリフトスピンドル装着車の場合は私個人的な意見としては500LBSか550LBSでも良いのかなと思います。DKのSPEC-FITはおそらく4WD対応のスプリングレートだと思うので600LBSがプリセットなのかなと思います。個人的にはPRERUNNERらしくノーズダイブやロールピッチと車体の挙動が大きくて姿勢変化が顕著に現れてくれる方が運転していて楽しいのでレーシングカーみたいなフニャフニャ脚が好みです。リアが4リンクなら是非3-WHEELERを体験してみたいくらいです。


実際に当該車両でプリロードによる車高の比較とロワーアームのアングルの違いを比較した写真を見てみましょう。最初は1.5"のプリロードをかけてしまいましたが車高が上がりすぎてしまったので3回に分けて車高調整を行いました。下の写真はその過程になります。

写真向かって左側がプリロードほぼゼロ、右側が1.5"のプリロードをかけた状態です。左右の車高の差は約2.5"程度でした。右側については1G状態でもリバウンド側のストロークマージンが殆ど無くてショックが突っ張って伸び切っているオーバープリロード状態になってしまいました。上のピンクのラインを比較すると分かるようにプリロードがゼロの方は1G状態でショックが沈み込んで車高が下がるためリバウンド側のストロークマージンも稼げています。今回はリフトスピンドル装着車なのでプリロードをかけずとも車高が上がってしまいましたが純正のスピンドルであれば上の写真よりも車高が3”程下がるため従来はプリロードをかける必要があります。その際にプリロード値とスプリングレートを調整して理想の車高に調整をするのが我々PRO SHOPの役割と言えるでしょう。


オーバーランドカテゴリーでも必要となるスプリングレートの調整については積載する重量によるプリロードについても考慮が必要となります。SUVのリアはリーフではなくコイルスプリングを採用している場合が多いのでカーゴルームにどのくらいの積載物を載せるかを想定して適切なスプリングレートのコイルを選ぶのがアメリカのオーバーランド界隈ではスタンダードとなっています。トラックの様なリーフスプリングの場合も追加リーフやマルチパックリーフへの換装によりカーゴシステムやルーフテントの積載量に合わせてスプリングレートを変更する事とショックアブソーバーのグレードアップを行う事が可能です。


PRERUNNERに関してはリアセクションはまた別物の話になるので興味ある方は是非サブスクBLOGを読んで勉強してみてください。より詳細にサスペンションやショックについて解説をしています。なかなか日本語でオフロードサスペンションのセオリーを解説している記述も少ないと思うので私が知り得る知識と経験から学んだデータを基に独自論にはなりますがレポートをしていますので興味があれば是非サブスクBLOGを読んでみてください。

リアのロングトラベルサスペンションについてもなるべく分かりやすいように解説しています。


話を戻しますが、リフトスピンドル装着車の車高調整はひたすらコイルオーバーの脱着を繰り返して車高の調整を行います。たまに1G状態でジャッキをかけずにスライダーを回して車高調整をしようとしている人を見かけたことがありますがOEMやこのレベルのLTではそれは不可能というか間違いなので止めておきましょう。レース車両とは異なるのでコイルオーバーを一度車体から外して調整する事をお勧めします。

3度目の正直で車高調整が無事に終わり、結局はスピンドルリフトで車高が上がるためにプリロード値はゼロになるまでスライダーを戻しました。ただし全くテンションがかからないのはNGなのでスプリングが遊ばない程度にはスライダーを回して固定します。車高が決まったらジャッキで0G状態にしてリミットストラップの調整を行います。2WDなのでブレーキホースとABSセンサーのラインが断線しないようにマージンを取った位置でクレビスマウントのナットをロックします。


純正フェンダーだとタイヤトレッドの半分以上が外にはみ出すのでファイバーフェンダー装着は必須です。LCAを交換した事によりホイールベースも前方へオフセットされ車幅も片側3.5"増加してホイールトラベルは2WDなので14.5"以上となります。タイヤサイズは35”外径の物が装着可能になります。

アップグレードとしてはセカンダリーショックの追加や各種ガセットプレートの追加等が可能です。もちろんリアのロングトラベル化も可能です。ここからはガチなファブリケーションが必要になるので整備云々よりも溶接や金属加工の知識と技術が必須の世界に入ってきます。PRERUNNER製作における必然と言えるでしょう。


と言うことで今回はPRERUNNERカスタムのエントリーとも言えるフロントロングトラベルサスペンション化のインストール事例をご紹介しました。尚、APTCOではLTサスペンションについては並行輸入車のみの対象となりますので予めご了承くださいませ。


機会があればリアセクションについてもご紹介したいと思います。


ロントラではなく、ロングトラベルサスペンション(LT)にご興味ある方はお問い合わせください。



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