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ボールジョイントメンテナンス

前回のL/C150でも触れましたがタイロッドやアーム、ナックル、ショックブッシング等の稼働部位に使われているユニボールやヘイムの基礎メンテナンスについて触れたいと思います。

巷でもKINGやFOX、ICON等のOEMショックやアーム類を交換している車両のオーナーさんは要チェックです。サスペンションをロングトラベル化している人は特に見ておいて下さい。プレランナーについてはメンテフリーなんて甘っちょろい乗り物では無いので車検の度にメンテナンスが必須な乗り物ですので認識を改めて頂けると良いですね。


上の写真を見れば分かりますがジョイントセクションがロワーピボット以外が全てオープン仕様なので定期的にメンテナンスが必要です。ロワーピボットのブッシングもデルリンを使用していますが使用環境次第ではブッシングも潰れますので異音が出たら要交換となります。

自宅で出来るメンテナンスとしては小まめにユニボールを綺麗にして稼働部位に注油をする事くらいです。ボールの軸受けに使用されているPTFEが摩耗消耗する事でボールにガタが出て異音やハンドルの不具合が発生します。ハンドルを切ると足回りからギギギ音やハンドルセンターがずれたりするとどこかしらのボールにガタがある事が多いです。

遅かれ早かれいつかは交換が必要にはなりますがなるべく長いスパンで不具合無く乗り続けるには日頃のメンテナンスが功を奏します。何も難しい事はありません。汚れを綺麗に拭き取ってからスプレーをするだけの作業を年間の走行距離に応じてメンテナンスを行うだけの話です。


オープンベアリングの注油に関しては諸説あります。軸受けの耐圧グリースにも種類がありますからAPTCOでも色々と試しましたし、ユニボールの交換もしてきました。今現在落ち着いているのがワコーズのバイタスドライというドライスプレーです。TPFEと同系のフッ素成分を使用して金属表面に被膜を形成するタイプです。

以前はずっとワコーズのメンテルーブを採用していたのですが湿式の滞留型だったためとにかく汚れやすくてゴミやダストを拾ってしまい結果としてTPFEの摩耗を招いてしまいました。

上の写真の様にバイタスドライを吹き付けると白い被膜が金属面に形成されます。ドライなので汚れを呼び込む事も少なくて水分はフッ素が弾くため汚れることが殆どありません。自分のクルマでもバイタスドライの使用を続けていますがボールジョイントの不具合がかれこれ5年以上問題無く走り続けています。自分の場合は街乗りではなくてハードダートの走行が多いので普通よりは負荷が掛かる走行なので今のところ不具合が無いのはメンテナンスの賜物なのではないかなと思います。


ボールジョイントの交換となると脚は分解しなきゃいけないし、圧入されたボールを全交換ともなればかなりの費用も部品代もかかります。FKロッドの上位部品を使用していますからボールだけでもそれなりの費用がかかります。


交換サイクルをなるべく長く出来るようメンテナンスが出来るのはオーナーさん次第です。

自称クルマ好きは良いのですが自分のクルマのメンテナンスも出来ないと我々プロから見たらただのPOSER です。本当のクルマ好きになる意味でも愛車のメンテナンスにもきちんと向き合ってもらえると嬉しいですね。


クルマが壊れたんではなくオーナー自身がクルマを壊したの間違いが殆どです。これを機に愛車との付き合い方を見直してみてはいかがでしょうか。不具合があれば我々にご相談ください。そのためのプロショップですから。


最後にワコーズのバイタスドライはおススメです。

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